地上最強の商人(オグマンディーノ著)をやってみたその後を検証⑥

昨年7月に取り組んでいた『地上最強の商人』の45週間を無事にやり遂げていましたが、やり遂げた達成感に浸っているうちに検証しそびれていることに気づき、前回から引き続きの検証結果をまとめています。

(前回はコチラ)

公正証書遺言に書かれた義父の思い

義父も息子である私の夫も、双方で遺産相続はしない方向でしたが、父親としてはやはり、息子へ託したい気持ちが大きかったのです。当然と言えば当然の話ですが、夫は何も受け取るつもりはないし、父親が亡くなれば嫌悪感しかない母親と姉しか残らない実家の人間とは断絶すると私にも父親にもハッキリ言っていました。

けれども、義父にとって息子である長男よりも可愛い孫達のためには、自分の持分を全て息子に引き継がせる必要があると判断したのでしょう。夫の5歳上になる義姉には各預貯金の半分を相続させ、夫にはその預貯金の残り半分と不動産と祭祀関係について相続させるとの遺言が綴られていました。

義父よりも義母の方が、そもそもの財産額が大きいため義母への相続分は保険金と一部の預貯金となっていました。義父からの最期のメッセージとも言える附言事項には「家族皆で支え合って仲良くするように」と、最後の最期まで一堂に会することのなかった家族たちへの願いが綴られていました。

私は自宅に戻り、夫に公正証書遺言の中身を自分の目で確かめてくるよう公証役場で遺言書の謄本を取り寄せるように言いました。

遺言書の謄本を夫が目にしたときのこと

後日、遺言書の謄本を取ってきた夫は、結婚してから10数年ともにしてきた中で、見せたことのない悲痛な表情と後悔の念を顕わにしていました。

「何てことをしてしまったんだろう…」

遺言書を目にして以来、何日も何日も夫はうなだれていました。父親を亡くしてようやく、自分が今まで目を背けてきたことがどれだけ大きな事かを痛感したようです。

さんざん避け続けていた実の母親との接触を拒むことが出来ない状況を受け止める心の準備が整った後、夫の行動は早いものでした。亡き父から授けられた使命を遂行するために、あれだけ嫌がっていた母親とのやり取りをする日々が始まったのです。

それからと言うもの、夫から頼まれて不動産の相続登記手続の書面を整える手伝いをしましたが、相続税を納税するまでは義父が存命だった時にお世話になる予定だった税理士に依頼し10ヶ月以内での納税を無事に終え、全ての相続手続が完了したのは2025年の2月でした。

『地上最強の商人』による効果の程は?

気づけば夫の相続手続話になっていますが、私はこの相続騒動について何年も前から懸念していました。賃貸不動産経営をしている不動産を相続するのは専門家からしても普通の自宅不動産を相続するより厄介なものであり、夫の実家のように家族仲の悪い者たちが手続を進めるのは、たとえ弁護士に依頼したとしても時間がかかり、そして思うようにいかないものです。

実際の業務で目の当たりにしてきた相続トラブルについて、我が身にいつか降りかかることとして、ずっとモヤモヤした気持ちを持ち続けていきたことでした。

日本では何かにつけて「嫁」に押しつける風潮が未だに根強くありますし、嫁である自分自身も「嫁いだのだから、私がやらなくちゃ」と思っている部分は、どのご夫婦の間でも必ずあると思います。

地上最強の商人に書かれている内容は、一見すると経営や営業成績をあげるためのノウハウにも読み取れ、対象も男性向けのように思いますが、私にとっては自分の気持ちに正直に生きることについての訓練になったと思いました。

義母との関係は、以前のような「良いお嫁さんと優しい姑さん」という形からは遠いものになりました。義母の化けの皮が剥がれた瞬間を垣間見たときは最終巻にあたる第10巻にさしかかったところでした。その中の一節に「悪い習慣を流し去り、良い習慣の中に私を浸してください」というものがありました。

私に染みついていた悪い習慣とは「人の意見を優先して、自分の意見を後回しにしてしまう」ことでした。その場を穏便に済ませようという気持ちが強すぎて、どんな場面でも自分の気持ちを押し込めてしまう一面を持っていました。

それはそれで、周りの空気を読んで行動するということでしたから、悪い習慣でもないと思えますが、自分の心を押し込めることで後悔したことも、その場では良い流れになっても先々で残念な結果に繋がることも多々ありました。

義母は今までに出会ってきた数々の人たちの中で、筆舌に尽くしがたい思考を持った人でしたが、嫁いだ以上はきちんとした嫁の努めを果たすべきだと自分に言い聞かせて付き合ってきました。商人メソッドに取り組む中で「何が自分にとって大切なことなのか?」という部分を日々問いかけてみると、関わりを絶つ必要がある習慣のうちの一つの存在が、義母のような人を振り切ることだと気づきました。

「収入が増えればいいな」という軽い気持ちで始めてみた取組みでしたが、収入という金銭的なことよりも、自分の悪習を改善することが出来たので、収入UPよりよっぽど身になったというのが今のところの感想ではあります。

ただ、地上最強の商人検証①で触れましたが行動力は確かにあがり、それに連動するように運気UPに結びついたと思えることもありました。

それは、購入しようかどうしようかと以前から迷いながらも、昨年の10月に80円台で買った仮想通貨(XRP)が大化けしたことです。

自分の中では給料UPを想定していたのですが、投資利益も収入と言い含めるのであれば、地上最強の商人効果は収入UPに現れたと言えるのかもしれないですね。

つらつらと書き綴ってきた地上最強の商人の検証結果は、この記事で終わりです。効果の出方は人それぞれだと思いますが、いまでも時折この本を開く時があります。

決して安い買い物ではありませんでしたが、根拠の薄い高額セミナーに通うよりは、懐にも自分にとっても良い買い物だったと思います。

ーおしまいー