昨年7月に取り組んでいた『地上最強の商人』の45週間を無事にやり遂げていましたが、やり遂げた達成感に浸っているうちに検証しそびれていることに気づき、前回から引き続きの検証結果をまとめています。
本当になってしまった相続トラブル
弁護士からの連絡で義父の件を知りましたが、義父が亡くなっていたのは、1ヶ月も前であったことにも驚きました。我が家は税理士の一件以降、義実家とは着信も拒否をして完全に連絡を絶っていたため、一切の情報が入ってきませんでした。
それでも、さすがに臨終の際には何かしらの連絡は入るものと思っていましたが、何の知らせもなかったことにも驚きを隠せませんでした。たった半年ほどの期間で、懸念していた相続が実際に起こることになるとは…
夫には実家アパートの一室で独り暮らしをしている姉が1人おり、上階が実家なので義父に何かあれば弟である夫に連絡をしたりするのが一般的だと思うのですが、そもそも互いを嫌い合っていた間柄だったためなのか、義姉から弟である夫に連絡もなく、義実家からの着信を拒否したことは義両親にも断りを入れた際に公衆電話からであれば受信できるので、何かあれば公衆電話から私のところへ掛けていただけば夫が口を挟むこともないであろうと嫁に出来る最後の切り札的なものを伝えていたのですが、最初と同じで嫁の忠告など右から左であったのでしょう。
どっちもどっちな義実家の人々を間近で静観していただけですが、私にとって良かれと思ったことでも当人たちにとっては心外であろうこともあり、いつもなら良い方向性を見いだす事に尽力しているところですが、そこもあえて抑えるのも本の内容を実践する上で必要だったのかもしれません。
本を読めば何かが変わるのではなく、本を読んで動かなければ変わることなどあり得ません。おまじないの類は大好きですが、目を上から下もしくは左から右に動かせば自分を変えられると言うのは可笑しくないですか?
自己啓発本が何百万部売れても結局、人は早々変わらないというのは目を動かしただけで済ませてしまう人が多かっただけなのでしょう。運勢が良くなるとは言葉を分解すると運の勢い(動き)が良いか、運の勢い(動き)が悪いかということでしょうから、動くことで変化が生まれます。
私にとって、本を読みそして現実に現れる揉め事への心の持ち方に物凄く影響を与えてくれたのが、この地上最強の商人に書かれた教えだったと思いました。
相続が発生するタイミングとは
通常、相続が発生する起点は亡くなった日になります。今回、夫が父親の死を知ったのは実際の死亡日から1ヶ月が経過したあたりですので、その当たりはさして遅いということもなく。
そもそも、夫は相続放棄をすることにしていたのですから、相続が発生しようが全く関係ないということで良いのですが…
仕事で相続案件も色々と垣間見ている私としては何とも落ち着かず。相続のことよりも、嫁いだ時からずっとお世話になった義父が本当にいなくなってしまったことを受け入れ難く、ぶっちゃけいい大人である母親と息子の維持の張り合いに、これ以上付き合うのが面倒くさくなっていたのもあり、私の方から義母に連絡し、今更ながらご焼香させていただくため、義実家へ赴くことにしました。
義実家に行くと、この時まで何事もなかったかのような対応で笑みを浮かべながら私の訪問を受け入れる義母がいて、正直戸惑いましたが義父の御霊前で手を合わせた後、今日までの話を義母がもの凄い勢いで語り始めました。84歳と高齢だった義父の病状はあっという間に進行し、体重が激減していったとのこと、終末期ケアで素晴らしいサポートを受けて旅立っていったこと。
それらの話を聞き、実父を数年前に亡くしていた私は、もう1人の父の最期にも会うこともなく寂しい気持ちで一杯になりました。それもこれも全ての元凶は今、私の目の前にいる義母なのですが、夫は同行せず私一人で訪れていたこともあり、次から次へ聞き捨てならない話が出て来たのです。
最愛の夫である義父を亡くし、悲観に暮れる義母でしたが話を聞いていると、貴女は御見舞いにも来なかった、葬儀にも来なかったと何度も罵ります。最初は、話をそのまま受け止めていましたが、テーブルの上に置かれたデジカメを手にすると義母は、見てよこれと言って義父が棺に入っているすぐ横で喪服を着て満面の笑みを浮かべピースまでする写真を見せてきたのです。
「信じられない…」
私は実父を亡くした時にコロナ禍で、しかも入浴中のヒートショックで亡くなったのが死因でしたがコロナ検査をした結果陽性反応が出ていたということで、棺の中の父は黒い袋に覆われており、姿を見ることも叶いませんでした。
そうした事を抜きにしたとしても、自分と故人のツーショットを撮ることはけして悪いことだとは思いません。二人の間にある思いの形はそれぞれあって良いと思うので、思い出の一つにするなり色々な気持ちの上で本人とそれに同調する方で完結いただければいいのではないかと思います。
撮った写真を見せられた側としては、絶賛する言葉や感謝の思いはなくただただ冷ややかな視線を義母に向けてしまいました。縁あって義理の家族になった間柄であっても、最期を迎えるまでに起きたことを全て帳消しに出来るほど私の中ではまだ、本の内容を確実に実行できるほど成長しておらず、この時ばかりは感情を押し込むことができませんでした。
故人の思いが残されていたとき
何事もなかったかのような振る舞いをする義母とは反対に、私の表情はどんどん固くなり、すべきことを済ませてもうこの場から引き上げようとしたその時、義母が引き出しから取り出したのが死期を医師から告げられた義父が残したという公正証書遺言でした。相続放棄をするということを宣言した息子に対して、そのように望むならお前には何一つ残さず娘に渡すと言っていた義父。はなから遺産相続に関してはノータッチで良いと思っていた我が家にしてみたら、今更内容を確認するまでもないことでしたが、義母は読めばわかると言ってきかず、私の目の前に遺言書をひろげたのです。