今年で6歳の年長さんになる息子は、0歳の時から何よりも指しゃぶりが大好きで、指しゃぶりをやめさせた2歳頃までの写真を見返すと、指先は常に口の中に入っているし、寝ている間も時計の秒針のごとく一定のリズムで「チュパチュパチュパチュパッ…」と指しゃぶりをしていた。
指しゃぶりに悩んでいたときに困ったこと
3人の子供の中で末っ子の息子だけが指しゃぶりする子だったため、やめさせることに関して全然経験がなく、ネットで調べたり、周りのママ友に聞いたり、かかりつけの歯医者さんや保育園の先生にも相談した。
その時に困った…というより戸惑ったことは、周りは意外と指しゃぶりに対して寛容な見方をすることだった。こちらは止めさせたいと思っている、けれど周りは
「まだ小さいのだから無理に止めさせることはない」
「成長していくとそのうち止める」
「心の安定のために無理に止めさせると後が大変」
などなど、こっちの意向とは逆だし不安になってくることを伝えてくる。
私がまだ小学校の低学年だった頃のこと。同級生のタカハシ君は「サ行・タ行」に難ありで、“あのさぁ”が“あのしゃー”だったし“3つ”→“3ちゅ”というように発音していた。純真無垢な低学年の小学生たちは彼の言い方をからかっていた。
そのような発音になる原因は幼少期の指しゃぶりにあったと、当時の大人が言ったことが息子が無邪気に指しゃぶりしている音とともにフッと蘇ってきた。
タカハシ君は今頃滑舌のよい立派な大人のおじさんになっていると思うけれど、きっときっと当時心に受けた悲しみは今も残っていると思うと(知らんけど)、母親としての決意は固かった。
当初、夫は周りの人たちのようだったけれど、私一人じゃ心が折れると思ったので、タカハシ君の事例をあげ夫婦協力態勢で挑むことにした。
指しゃぶり防止に取り入れたこと
指しゃぶり防止で有名な日本製の赤ちゃん用クリームを最初に使ってみたけれど、平日は保育園に預けているしこまめに塗り直してあげられないし、「塗る」という仕草が息子にとって「イヤな思いをする」ということを連想されてしまうと、将来的にかゆみ止めとか化膿止めの塗り薬までも拒否されると困るなと思ったし、塗り直すという行為が私にとっても面倒くさかったので、1~2度塗ってやめた。
次に突起がついた吸い心地の悪そうなグローブをつけさせてみたけれど、手にはめられるのを嫌がられて終了。
そんなこんなを試しているうちに、歯磨きで口のなかを見た時に指の跡が上あごにつき始めているのを発見!のんびりと構えてはいられない…と危機感が増す。
ママ友から聞いていた「相当苦いからなるべくなら使わせたくない…」と言われたバイターストップ(指しゃぶり防止)用のマニキュア、さらに指しゃぶり卒業に効果的な絵本「ゆびたこ」を同時使用することにした。
指しゃぶり防止対策の検証結果は…
まず、バイターストップ。注意書きには4歳以上と(確か)書いてあった。なので2歳未満の息子は対象から外さないといけない。それは分かっている。わかった上で自己責任をしっかり取ることを前提に、私達は導入した。企業に責任追及する気は微塵もない。ただ一心に息子の指しゃぶりをやめさせたいそれだけ。
日頃、訴訟だなんだということに仕事上携わっているのだから、そのあたりの注意事項には一番敏感になる。それにもかかわらず私達は息子が愛用している右手の親指に
(しかも第二関節付近まで)塗りたくった。親指がつらくなって他の指にいくかもしれないから、全部に塗った。
「こんな味は二度とゴメンだろ?」「もう、絶対味わいたくないだろ?」
そんな念を送りつつ、諭すように絵本「ゆびたこ」を読み聞かせること数日。
1日目に塗って以後も数日は効果が続くということだったけれど、息子の吸引力はかなり強力だと思えたので、翌日には塗り直した。
1日目は泣きながら何度もくわえては出してを繰り返し、泣き疲れて寝た。寝てる間は苦味を感じないのか、指しゃぶりを続けていた。2日目、3日目と泣く回数が減り指を口元へ持って行く仕草も自然と回数が減った。1週間も経たずして息子は指しゃぶりをやめた。見事な卒業だった。
私達は指しゃぶりを止めさせたい気持ちが一番にあったけれど、息子からお気に入りを奪い取ることへの罪悪感はもちろんあったので、指しゃぶりをしない時は見かけたら、すかさず「すごいねーお兄さんだねー」「ゆびチュッチュしないで、カッコイイねー」「だいすき~」と声がけをした。指しゃぶりをしない彼を絶えず褒め称えまくった。
指しゃぶりをやめてからその後の経過
あれから約4年が経過し、やめた直後から年長さんになった今も指しゃぶりはしていない。さんざん脅かされた心の成長(不安定になるetc…)も今のところ影響が出ていない。ただ、寝てる間も「エア」指しゃぶりをしているようで、チュパチュパチュパチュパッ…という音だけは続いている。
そして、当初私が一番心配していた、滑舌や発声にかかる問題。それについては、残念なことに回避することは出来なかった。
「ローマとダイアナ」という海外のKidsYouTuber兄妹がいて、その動画を見たいがためにSiriに息子が一生懸命呼びかけるも、出されるアンサーが毎回…
「イオンモール 山本山」
と探し出される現実に悲しみが止まらない母心。
なので、今後の対策としては近場のボイストレーニング教室へ通わせてみようかと思って新たなチャレンジが続く…。