フルタイムワーママが難関資格にチャレンジした結果(2)

懲りもせず3回も受験した社労士試験について備忘録を兼ねて綴っています。働きながら子育てしながら加齢と闘いながらも合格されたワーママの方々には尊敬と敬意の思いでいっぱいです。本当に素晴らしい!社労士としてご活躍が期待されるだけでなく、この難関試験を苛酷な環境下で乗り越えた才能と根性が、この国を動かすほどの逸材だと思えてなりません。

さて、前回の続きとなりますが、令和2年・令和3年・令和4年と3回の社労士試験を受験に向き合ってきた自分の振り返りを進めていきたいと思います。

 

ワーママが独学を選んだ時の勉強方法と身につけたスキルとは?

資格試験には通学するのが一番の近道です。しかも受験するのは難易度の高い社労士試験です。20代の独身であっても合格が難しい資格試験と言われているのに、既婚・子ども3人(いずれも幼児)・フルタイム正社員という状況下で通学など出来る訳がない。金銭的な都合よりも時間的な都合も大きかったし、そもそも通学となると新しい環境に立ち向かうことになるなんて…

めんどくさい(キッパリ)

育児にはまだまだ母親が表立って関わらなくてはならない場面が多数あります。子どもが3人いると、それぞれのクラスごとの保護者や先生との関わりがあったり、職場では仕事関係の関わりも。HSP気質な面がある私としては、通学で新たに人間関係が構築されるのが、勉強よりしんどいなって。ならばweb講義という通信学習も考えましたが、そもそも講義を見るまとまった時間(動画を見る・DVDを観賞するなど)がありません。その原因としては、自宅内に勉強できる部屋および居場所がない。スマホ眺めているだけで邪魔される。深夜は疲労困憊で起きていられず、早朝は私より早く家を出る夫の支度時間とかぶるため午前3時ぐらいに起きないと時間の確保ができない。

私と同じ状況かどうか不明ですが、世のワーママたちは基本的に時間に追われています。通学を選ぶよりも、独学で進められる方が多いのではないでしょうか?ワーママだから必ず独学でということではありませんが、合格していない私が言うのもなんですけれど、資格試験にチャレンジしてみて身につけたことは「時間の断捨離」です。資格試験に向けての勉強時間の確保をするために「時間がない!何もできない!」と言っていたのは戯れ言だったことが判明。

じつは、10年以上前も社労士試験を受験したことがあって、その当時は独身で一人暮らしをしており、仕事にも慣れた頃だったのでユーキャンの通信講座で頑張っていたのですが、いままで通信教育できちんと課題を提出できた試しがなく、今度こそは課題を提出するぞ!!と合格への情熱ではなく課題提出へ燃えていたため、全課題提出は達成できたのですが、それで燃え尽きたという過去がありました。あんなに自由時間で溢れていたのに、課題提出というのが本当に大変だったという苦い経験から、参考書と過去問をみっちりやるというスタイルが一番いまの状況に良いと思い、TACのみんながほしかったシリーズテキストと同じくTACの過去問10年分(全4冊)を買い求め、それらを高速回転する学習方法にしました。結果としては、量・時間ともに適量でした。その分量であれば、3回目の試験で合格できたハズなのに愚かな私は自分の首をしめるようなことをしてしまったのです。

 

歴代試験結果をご覧いただきます!

社労士試験は選択式と択一式からなる試験です。試験は1日がかりで毎年8月の暑い夏の日に実施されます。午前中に80分間(1時間20分)の選択式試験が行われ、お昼休憩(正味50分ほど)を挟んで午後は210分間(3時間半)の択一式試験が行われます。普段、デスクワークですが1日中こんなに緊張しながら座っていることなんてありません。試験受け続ける体力だけでなく、本番当日を迎え受け終わるまでの体調管理が試験よりも難しいかもしれません。

○選択式8科目…各科目5問ずつ出題で合計40問の内、全科目3点以上かつ25~28点以上(救済措置が取られて3点未満が許される科目がある場合もありますが稀です)

      ⑴労基法・安衛法 ⑵労災 ⑶雇用 ⑷労働一般 ⑸社保一般 ⑹健保 ⑺厚年 ⑻国年   合計

令和2年     2点    3点  5点   0点     4点   0点  4点  0点   18点 

令和3年     3点    5点  4点   0点     3点   4点  2点  2点   23点 

令和4年     3点    3点  3点   4点     4点   4点  5点  2点   28点  

 

○択一式7科目…各科目10問ずつ出題で合計70問の内、全科目4点以上かつ44~46点以上(こちらにも救済措置があります)

      ⑴労基法・安衛法 ⑵労災・徴収 ⑶雇用・徴収 ⑷労働一般・社保一般 ⑸健保 ⑹厚年 ⑺国年   合計

令和2年     2点      2点    2点      5点       1点  3点  4点   19点   

令和3年     6点      5点    3点      4点       5点  5点  5点   33点

令和4年     2点      5点    5点      6点       5点  6点  4点   33点 

 

ちなみに令和4年度の正確な合格点の発表が厚労省より出されていましたが、それによると選択式は各科目3点以上かつ27点以上で択一式は各科目4点以上かつ44点以上。さらにこの年は救済がありませんでした。受験者数40,633人中、合格者数2,134人だそうですから、合格率は5.3%だったようです。

あれだけ頑張ったのに前年とかわらない合計点。。。選択式も国保の出題されて迷ってはいけないところでミスって3点未満。トータルの合計点が合格点を上回っていても、各科目の基準点が1科目でも割れていれば不合格となるのが、この試験の恐ろしいところです。不得意な科目である健保に直前期で時間をかけすぎて前半の労基・安衛法とか意味分からない得点をたたき出していましたし。。。なんかもう肩を落とすってこうゆうポーズかっていうくらい、帰路でへたりこんでいた私が思い出されます。

 

それでも、SNSなどで通学しながら受験された方の結果発表をチェックしていたら、私よりも低い人がいたりしたので、自分のやり方が必ずしも間違っていなかったのかなと。そういった淡い思いが拭えずにいるため、再チャレンジを諦めきれないのがこの試験の怖いところでもあります。令和4年はコロナが猛威を振るい、保育園や小学校が休園・休校になり自宅保育が何度も続き思うように勉強できなかったことや、2月に実父を亡くし心理的なダメージから回復されていない部分があり、本調子ではない中でもやりきった部分があったので、かなり燃え尽きた感がありました。

 

独学で気をつけたい3つのこと

独学で一番困るといえば分からない箇所についてどう対処していけばいいのかということではないでしょうか。通学や通信学習をしていないため、自分のつまづきは自分で解消するしかありません。これは社労士試験だけではなく学校の定期テストにしても、ほかの資格試験にしても同じことだと思います。分からないことを分類することが既に身についていればまだしも、勉強することが久しぶりであれば、とにかく何もかもが『わからない』だらけです。

  • 馴染みのない言葉や知識としての理解力が足らないから分からないのか
  • 理解できるようになったけど問題の解き方のコツが分からないのか
  • 自分が何が「どのように」分かってないのかが分からないのか

などなど…

いまはネットで簡単に検索が出来ます。でも、「どのような言葉で自分が納得できる解が導けるのか」ということがそもそも分からないと、ただのネットサーフィンで貴重な時間が奪われます。そうなると、今度は手持ちのテキストよりも簡単な言葉で書かれている(と見える)新しいテキストや攻略本に手を出すことになりますが、これがいわゆる今回の私の大失敗でした。

コツコツと勉強リズムが整ってくると、当然マンネリが訪れます。短期決戦ではなく長期戦でしかチャレンジ出来ない身ですから、だらける時期が必ずあります。日頃の疲れや体調不良だけじゃなく、家族の体調不良も自分ごととして降りかかってきます。私が受験勉強に励みだした頃と同時期に全世界を巻き込んだ新型コロナが到来しました。ただでさえ体調不良は一大事なのに、その上だれも予想が出来ない事態が世界中で巻き起こったのです。マンネリどころか、一寸先は闇すぎて、手足が出せない生活が始まりました。勉強の不安と生活の不安と、いままでに経験したことのない不安に飲み込まれ、気分転換を図らないとメンタルが崩壊しそうな中での勉強。遅々として飲み込めない試験問題への壁が一層高く感じられた私は、分かりやすさを求めて次から次に新しいテキストや攻略本を買い漁りました。

結果として、膨大な知識のスクラップが増え、理解どころか記憶も定着しないまま2回目の試験本番を迎え撃沈したのです。

社労士試験は出題範囲が広いだけでなく、つぎはぎだらけの制度改正が毎年のように行われます。年金問題や少子高齢化・人口減少などなど、世間が注目する事柄がひしめいているため、ヤマかけすることもできません。勉強に関する知識だけじゃなく、出題傾向についても、ただ過去問をやり遂げればいいのとは訳が違いました。そのことに気づいたのも後になってから。まさに「独学あるある」のオンパレードです。色んなところから情報を集めようと、有名講師のツイッターや厚労省のメルマガなど、利用できるもの全てに手を出したのも仇となりました。

また、試験本番後にやってしまったものとして、合格の手応えがないと新しい勉強方法を取り入れる必要があると判断し、いままでやってきたこととは全く別の方法を取り入れようとします。私が取り入れたのは京大式カードやカラーペンを駆使したメモリーツリーや大量に付箋をはって視覚に訴える方法etc…

新しいことは新鮮で気分転換にもなります。けれども、慣れるためにも時間が必要とされ、手っ取り早く済ませようと思ったハズが、結局いま何がしたかったのか分からなくなったり、その勉強法に違和感を覚えたり。いまどきの勉強法だと手書きだけではなく、アプリもあります。webでおすすめになっていたアプリも手をつけましたが、使い方をマスターするだけでストレスになり、結局無駄骨に。デジタルネイティブ世代では無いし、その世代であっても志望校に合格するタイプの若者達はメリハリをつけた使い方を徹底しているとか。学習アプリを起動したはずが、結果的にはネットサーフィンに時間をついやし、購入していたKindleのマンガ本を熟読という横道に逸れまくりというザンネンなことに。

  1. テキストは基礎的な初めの1つに絞る
  2. 最初に買った問題集の正答および解説が出来るまで他に手をださない
  3. 試験本番と同じ筆記用具と1種類の付箋が一番の勉強スタイル

どんなに歳をとっていたとしても、シンプルなものほど記憶に残りやすいし覚えやすい。色んな色やノート類(パソコンのメモアプリ含む)を駆使できるようになったとしても、合格点に及ぶにはしつこいほどの繰り返し以外ないということを約3年という時間をかけて立証した次第です。

 

次回、この試験にチャレンジするのは来年以降になると思いますが、その際は余計なことはせず、不便で何もない時代の人でも受かることが出来るようなシンプルな方法だけでチャレンジしようと思っています。

 

フルタイムワーママが難関資格にチャレンジした結果(1)

7歳・5歳・3歳の子どもたちを共働きで世話しつつ、通勤時間90分で9時半から17時半までのフルタイムワーママが合格率1ケタの難関資格に約3年(2019年11月~2022年8月まで2年9ヶ月)かけて独学でチャレンジし続けた結果は不合格でした。

いやー、疲れました。本当に。あそこまでガッツリ勉強したのは人生初です。

今回はチャレンジしつづけた3年間を振り返ってみたいと思います。

社労士試験に受かるために何時間勉強すれば合格できるか

社労士試験に合格するには平均700時間以上必要であるということでした。ただでさえ自分の時間なんて無に等しい子育て期間なのに700時間?え??7時間でもキツイのに。そもそも朝までがっつり7時間も睡眠時間とれたことない環境で、どうやって700時間も捻出できるのだろうか?

始める前からスタート切れないって。。。

それなのに、チャレンジしようとしてることが無謀すぎて。。。

初回の年は1年目といっても2019年11月からスタートし2020年8月の試験を受けたので1年もなかったですが、300時間程は捻出して勉強時間にあてました。と言ってもその300時間は「勉強」と言えないレベルでした。1回目の受験は勉強するための時間的節約と癖付けのために終わった気がします。2年目になると、300時間はこうすれば作れるということが分かったので、試験が終わったばかりの2020年9月から翌年の本番まで1年がかりで勉強計画を立てました。最終的に3回の受験を終えて勉強した総トータル時間は1558時間です。このことからすると700時間以上かければ合格できるという「時間だけ」にこだわった勉強では合格できなかったという検証ができました。700時間以内で合格される方も数多くいらっしゃったでしょうし、700時間ぐらいで合格された方もいるでしょう。ただ、普通に考えれば無謀なんだとすぐ判断できてチャレンジするのも無駄なぐらいだって分からない時点で「不合格」な私なんだと思います。

が・・・

これだけ世の中が何でも簡単に出来たりするようになってくると、脳内が浮つくというか?それだけではなく、40代半ばを過ぎ社会人経験もだいぶ重ねてきた自分への妙な自信があふれ出たというか?赤ちゃんだった3人の子ども達が、寝んねしているだけだったのに、離乳食から固形物を食べられるようになったり、ハイハイから捕まり立ちして歩けるようになったり・・・なんかエコー画像でソラ豆みたいな形でしかたなかった存在がこんなにも多くを身につけ結果を出している姿を日々見せつけられると

”つかれた。1度でいいから朝まで起こされずに寝てみたい。”

などとばかり言っているのが情けなくなってきて。親になったのに、こんなヘボい背中を見せてたらダメ!私だって出来るんだ!!ということを証明したくなったのです。

勉強時間を捻出するために、主に子どもから離れていられる時間を総ざらいしました。まずは平日の行き帰りの通勤時間内と昼休み。そして仕事中ではあったものの、人事と総務と経理を担っているので業務の合間にちょこちょこと。土日祝日は平日よりハードなので、末っ子のお昼寝タイムか深夜もしくは早朝に。それらを合算すると週あたり15時間ぐらいは確保できることが判明。その時間を下回らないように勉強管理アプリ「Studyplus」をダウンロードして同じ資格取得に励む方々と相互フォローさせて頂きながら、勉強時間をキープするようにクセをつけましたが、正直なところ時間数で合格できるかどうかの目標を持つのはオススメしません。

まず勉強を始めたばかりの頃に過去問を1年分解いてみて、勉強期間が90日を過ぎたあたりで再度同じ過去問を解いてみた時の手応えから、勉強の進め方についてのPDCA【Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)】を何度も修正したほうが、勉強時間に固執して貴重な時間を失うよりも、よっぽど実りある結果が出せます。2時間といっても、ワーママが2時間をまとめて取ることがそもそも努力のいることです。時間を捻出するだけ、すでに試行錯誤しているわけですから、やっと勉強時間を確保したとしても疲れが出て集中できないこともしばしば。

朝の通勤時間は、保育園に子ども達を送り届けた後の疲労感でいっぱいですし、帰宅時の通勤時間は日中の業務からくる疲れと家で待ち受ける家事&育児に余力を割かなくてはならないため、これまた集中力が続きません。“時間”という量ではなく”質”で理解を深めていく工夫をしたほうが非常に効率的です。スマホアプリで勉強時間を共有するStudyPlusというアプリを使って、同じ資格試験を目指す方々と相互フォローさせて頂いていましたが、「1週間でこんなに沢山勉強時間を割いている人がいるのか」という羨望と嫉妬で、最終的に時間ばかり気を取られてしまったのは2回目の受験後の反省でした。3回目の受験後は「あんなに時間を割いたのに合格点が取れないなんて」と試験会場を去るときに本気で泣きました。